エルヴェ引退で思うこと

一昨日の衝撃のニュースから、ずっとエルヴェの事を考えています。あまりにも情報が少ないので自分の思いや考えをまとめることができないのが正直なところ。エルヴェ観たさにこんなに前のめりになって来た私としては、私なりにこのことを受け止めたいと思ってます。そしてここにちゃんと書いておこうかな、と。
ダンソマニのハイドンさんは、"エルヴェが考えを変えるのを祈ろう"、みたいな事をおっしゃってるので、エルヴェ自身が怪我の克服を断念したということなのかな、と推測します。アポロンを目標に頑張ってきたエルヴェが復帰直前に何らかのアクシデントがあって、もうモチベーションを維持することができなくなってしまったという事でしょうか。
一般的に考えて、これだけ怪我を繰り返していていれば、”諦め”という感情が涌いてきても当然なのかという思いがします。過酷なリハビリを乗り越え、自分の技術を芸術的に納得できるレベルまで回復させるために時間をかけて労力、精神力を保っていかなきゃならないわけで。おまけに周囲は当然、復帰してまた舞台で素晴らしいパフォーマンスを見せることを期待しているので、怪我を治すだけでも大変なのに重い重いプレッシャーがかかる事になります。”エトワール”という存在は、そういう事を乗り越えるべき存在なのかもしれません。乗り越えられることができて立派なエトワールなのかもしれません。
でも、でも、それってあまりに酷な事ではないかしら。・・・私がエルヴェの復帰をこんなにも待ちわびていた事も、今も復帰して欲しいと思っていることも、もしかしたら自分勝手な願望なのかもと。
間違いなく、エルヴェが踊る事をやめることはバレエ界にとっては大きな損失です。ですが、彼の人生を考えるとどうなのかしら。踊り続けようとすることで壊れていってしまうとしたら、、。家族だったら、もういいよ、充分頑張ったもの、と言うと思うのです。
33歳は未だ若いです。ダンサーを辞めて、オペラ座自体から離れてしまうのかそれはわかりません。バールみたいに教師のポストがあれば良いのに、と思います。エルヴェがオペラ座にいるという事が私の中で救いになるので。勝手ですけど。
何が起きているか、全くわかりませんが、今はエルヴェがダンサーとしての自分を一旦リセットして再生してくれることを願います。
もう一度ダンサーとして舞台に立つためという意味ではなく、彼の人生がよりよくなるために、、。