パリは燃えているか?9月号

チャコットDance Cubeが更新されました。「パリは燃えているか?」にパリ・オペの椿姫の評が出ています。ムッサン&ルグリ組をご覧になったようです。
私が見た日ではないですが、少々疑問を感じることも多い斉藤さん(今回も組み合わせ間違ってるし・・)の評を今回はうなづきながら読みました。ルグリは大好きですし、本当に素晴らしいと思うのですが、今のルグリはこの作品には合わないと思います。ダンスは完璧なんですけど、やはり演技に無理があるのです。もっと若い時に観たかった・・。斉藤さんも触れている最終幕でアルマンがマルグリットの日記を読むシーン。斉藤さんはルグリは何もしていないとおっしゃってますが、さすがにそれはないと思います。夢中で読みふけっている姿に悲哀を感じました。ただ確かにマルグリットの動きとの呼応という点では、物足りなかったのは事実。これはマチューも同じでしたが、マチューはアルマンなりきりの陶酔感がありました(ただ相手がねー)。エルヴェのことは遠い記憶になってしまいましたが、呼吸の間とか微妙な表情の陰影が心を打つものがありました。彼の場合、その立ち姿やしぐさがそのまま憂いや後悔を表現するに充分なのです。それが彼の存在感といっても良いくらいですもん。
しかし、このシーンで圧巻だったのはやはりボッレです。こちらが感じるツボを押さえるかのような素直な反応を見せてくれて、感情移入しやすい演技なのです。もしかしたら少々クサイのかもしれませんが、ボッレがするんで絵になります。舞台中央で繰り広げられるシーンが日記の中の光景なのだということが手に取るように感じられました。最終幕はアルマンと別れてから亡くなるまでのマルグリットの姿を表現するのではなく、アルマンの悔恨に根ざすシーンなのだと。ノイマイヤーの椿姫は本当に素晴らしい作品です。