エトワール・ガラBプロ8/9

楽しみにしていたエトワール・ガラもあと一日だけになっちゃいました。今日は週末ということもあって会場の入りは大変良かったみたい。トイレの混み方が違いました(^^;。
でも、何となく会場の反応は昨日の方が良かったみたいに感じました。拍手やブラボーの声が昨日の方がメリハリがあったというか・・。ダンサーの方々が少々お疲れ気味でもあったんだと思いますけどね。あー、でも「カノン」はやっぱり良いです。何度でも観たい気持ち。
青い鳥も、白鳥も昨日の方が良かった。白鳥はそれでもクオリティが高かったと思いますが、昨日の方がより白鳥の人間離れした美しさが際立っていたように感じます。そんな中、アッツォーニとペッシュのロミ・ジュリは今日の方が良かった気がします。ペッシュ、踊りたかった演目だったせいか力入りすぎかという印象が昨日はあったんで。今日はこなれてきたのか、私も作品に集中できました。私的には彼らの踊った「アダージョット」よりこちらが好み。
「瀕死の白鳥」は最初の腕の動きが神!なんだけど、見慣れている振付と違う気もして少々違和感あり。もっと命の宿った儚さみたいなのが表現されても良かったのにな。プリセツカヤの名人芸に目が慣れすぎているせいもありますね。
もう、日本ではおなじみの「ドリーブ組曲」。マチアスはジャンプの高く会場が沸いてました。彼はスター性ありますねー。昨年から見ても成長が感じられるし、身体も一周り大きくなったみたい。んー、でも何かツメが甘い。アバニャートに関してはマチアス以上課題あり。コンテは良いのにね〜。クラシックのテクニックを使って踊る演目に大事な決めるべきところで決めることができてない気がする。私はテクニックの詳しいことはわかりませんが、フェッテとかなんか流れちゃってるみたいで・・。全体をきれいに魅せることはできてるのにね。もったいない。比較してもしょうがないけど、ルンキナを見てるとクラシックのダンサーはやっぱりこうじゃなきゃ、と思ってしまうのでした。しかし、ルンキナは何を食べてるのかって思うくらい細い〜。でも筋肉もちゃんとあるのよね。お顔もきれいですっかりファンになっちゃいました。ボリショイの白鳥、彼女の日を買っておいて良かった〜。「マノン」は、ちと色気不足でもありましたが、天使のような外見で実は悪女な魔性系にも見えるのでOKです。相手がルグリだと安心して見てられたし。
「トリオ」はマリ=アニエスの衣装が小道具のように色々な表情を見せるところが面白かった。それにしても彼女のオーラはすごい。サモトラケのニケのようだったり、マリア像のようだったりするのに、一瞬の間に生身の女を感じさせたりするのです。素晴らしいダンサーです。肉体が作り出す造形に”美しいもの”、”神々しいもの”、”愛おしいもの”、”切ないもの”など、自分が持っている感情を揺り動かすイメージを投影できると背筋がゾクゾクして言葉にできない感動がこみ上げてきます。涙がこぼれるほどの。この種の感動を今回、ルンキナ、マチュー、マリ=アニエス、アッツォーニに感じることができました。とてもとても幸せです。ダンスを見ていて、もちろん音楽性やテクニックや演技力など感動する要素は他にもあるんですけど、私が一番魂を持って行かれるのはフォルムの美しさなんだなーと最近思うのです。もちろん単に美しいばかりでなくその中に感情や精神性みたいなのが一緒になってるものなんですけど。はぁ〜、こんなこと書いているとやっぱりエルヴェの踊りが見たくなるのでした・・。
さ、明日は最終日です。