マラーホフの贈り物Aプロ

9日に観て参りました。キャストはこちら
マラーホフは3演目。他のダンサー達は2演目づつ踊りました。第2部が白鳥の第2幕全編だったから、時間もたっぷりかかってたし、出演ダンサーが少なかった割には見ごたえ十分でした。
ニジンスキー版「牧神の午後」は昨年ジュドのを観たばかりなので、個性の違いがはっきりわかり面白かったです。マラーホフの牧神はきれいで、野性的なエロティシズムは足りないものの、彼の個性であるアンドロギュヌス的な魅力で作品の持つテーマを表現していました。破瓜期というか思春期の危うさを表現するにはマラーホフは適役なのかも。彼の年齢を考えると不思議ですが、初々しいという形容詞すら思い浮かぶ牧神でした。
ヤーナ・サレンコは姫タイプのきれいなダンサーでテクニックもあり、好印象。しかし、お相手のコンヴァリーナ氏は気合い入ってるのはわかるんだけど、力で跳んだり回ったりしてる感じで、私は引いてしまいました。また名前覚えられそうにないわ。
会場の一番人気はアレクサンドロワ&フィーリンのペア。特にアレクサンドロワに会場は大ウケでした。アロンソカルメンではぐいっと引き込む演技で観客の視線を鷲掴みにし、あの短い時間でドラマを見せてくれました。私はあまり好きなタイプのダンサーではないのですが、その魅力と実力に脱帽せざるをえません。マリーヤサマ〜。黒鳥の方は、まあ予想通りで返ってあまり面白くなかったな。あの濃ーいアレクサンドロワ相手にフィーリンは、翻弄されるホセ&ジークフリードでした。特にホセ、髪形がカワイスギ。衣装もどうにかしてくれー。
イリーナ&マクシムのカップルは流石でした。アレクサンドロワのカルメンの後のくるみですから、ちょっと間違えば退屈に感じそうですが、全くそんなことはなく登場からその世界に集中できました。「スプレンディッド・アイソレーション」も大変美しく、長いスカートが男女の間にあるものを見事に表していました。この作品は初見ですがとても好きになりました。イリーナ&マクシムの愛も垣間見た気分♪。浸れます。
セミオノワですが、観る度に好感度上がります。テクニックも確かでこれみよがしな所は無く演技も自然。白鳥にはもう少し儚さやたおやかさが欲しいけど、21世紀のバレリーナとしては彼女の個性として十分主張するところがある。「アレス・ワルツ」でも音楽性、表現力、存在感ともに魅力的で、作品が好きなせいもあるけど「ポリーナ、もっと観たーい」って気分になっちゃいました。
最後の演目「ラ・ヴィータ・ヌォーヴァ」は、どんな作品かというと、あんまり記憶がない。というのもマラーホフを観る作品だったからなのかもしれません。マラーホフサマ、復活して下さってありがとうございます。もしかしたらまだ膝の状態はイマイチなのかもしれませんが、本当に無理せずダンサー人生を長く生きていただきたい。
Bプロも楽しみです。