ハンブルクへ

友人が昨日、ハンブルクに旅立ちました。目的はフェリがゲストで踊る椿姫。引退が迫っているフェリの全幕が観られるチャンスで、演目が椿姫ですのも私も行きたかった公演です。友人には私の分まで楽しんできて〜と伝えました。帰国してから話を聞くのが楽しみです。
エルヴェの来日がなくなってかなり落ち込んでいる私ですが、バレエはいろんな公演があってダンサーもたくさんいるのです。気持ちを切り替えねば!特定のダンサーへの気持ちが大きくなってしまうと楽しみ方も偏りができてしまうのです。新鮮な気持ちでバレエを見ていたころはどんな公演でも楽しんでいたと思います。好みじゃないと思うものでも何故私は好きになれないかを考えるのが面白かったものです。今は好きだと思えるであろうというプログアラムをこのキャストで、と思って選んで観ています。大失敗はなくなったけど掘り出し物にはなかなか出会えないかも。自分の感性が鈍るのではないかという危惧を感じます。というか鈍らないようにしたいと思っているのですが、なかなか難しいとも思います。特に海外のバレエ団の来日公演は日本でウケそうなものものが選ばれるし、それなりに淘汰されたものを目にすることになると思うのです。最新のダンスシーンのできたてホカホカの作品を見る機会には恵まれないし、自分もあえてリスクを負うことをしなくなっています。
私はクラシックが好きなので数年前までベジャールですら苦手だったのです。でもある友人との出会いでベジャール作品を集中的に観る機会があってすっかり変わりました。ベジャール作品を鑑賞する感性はクラシックとは全く別のものだということを知りました。脳の中の使ってない部分を刺激されたような心地よさがあるのですね。ベジャール作品は妙なカタルシスが感じられます。ただ、50年先にどの位ベジャール作品が上演されるかは微妙だと思います。ボレロなど一部の作品は普遍的な完成度だと思いますが、すでに20世紀のバレエという感は否めません。もちろんこれは芸術性とは別の観点から感じることです。その時代だからこそというものは、年月を経ると風化するのはしかたないことだと思います。
そう考えるとクラシック、ネオクラシックと言われる作品群の完成度は素晴らしいものがあると思います。20世紀の作品でもマクミラン、クランコ、ノイマイヤーの物語バレエはきっとずっと踊り継がれていくものだと思います。
とりとめがなくなってしまいましたが、エルヴェのいないルグリ公演もきっと新たな発見が必ずあるだろうということ、それに期待しているということを書きたかったのです。マチアス・エイマンが楽しみです。あと、ビジュアル的にはドメニャックの彫刻のような身体も要チェック。ヤン・サイズのちょっとおとぼけなキャラも大好きです。さあ、テンション上げるぞ〜。