感想続き、、、

riebo42007-03-17

第七場 囚われの女
作品中で最も有名なシーン。21世紀のエトワールたちでラカッラとピエールが踊ったヴァージョンに初めに語り手のソロが加わってます。プティがエルヴェのために振り付けたのってこれかな? アルベルチーヌの同性愛を疑って嫉妬心から独占欲の塊となった語り手が彼女を自宅に半ば監禁のような状態にする。小説の中でも、眠っているアルベルチーヌを観察するかのように見つめて詳細な記述をする場面があります。プルーストはこういう観察眼に優れているというか、愛情を持った対象を妙に客観的に表現するところがあるんだよね。それが返って猟奇的な印象も与える。このパ・ド・ドゥは、語り手の異常さを覆い隠しきれいに仕上げています。もちろん、嫉妬、猜疑心、愛、独占欲、いさかい、などの感情の動きも表現されているのだけれど、どろどろしたものは感じさせないのがプティ流ってところかな?
キャストは第五場ともちろん同じ。シアラヴォラの体温を感じさせない無機質な感じが、死に至る眠る女の雰囲気を良く出していたと思う。エルヴェに関しては、冷静になれないのでどう書いていいのか悩んでしまう。苦悩が似合うエルヴェ・モロー(笑)、そんな彼を見ていると何故か私も苦悩してしまうのかしら。

音楽は前半部分が、サン=サーンス交響曲第3番オルガン付きより、おそらく第1楽章より。

Charles Dutoit, L'Orchestre Symphonique de Montr!)al & Peter Hurford - Saint-Sa!)ns: Symphony No. 3, "Organ" & Le Carnaval des animaux - Symphony No. 3 in C Minor, Op. 78 "Organ Symphony": Ib. Poco adagio

後半部分は、セザール・フランクのプシュケです。

Jan Latham-Koenig & Orchestre philharmonique de Strasbourg - Franck: Symphony in D Minor, Psych!) - Psych!) - Four Orchestral Extracts: I. Le Sommeil de Psych!) - Lento