ノイマイヤーの椿姫より。

riebo42007-02-12

昨年観たバレエの中で一番感動した作品。中でも第3幕の舞踏会のシーンがとても好きです。アルコールを飲んで壊れていくアルマンと華やかな舞踏会の場が同じ舞台上にありながら、全く別の世界のことのよう。次第にマルグリットとアルマンの動きがクローズアップされていくのが絶妙の演出でした。舞台芸術は観客と舞台とが物理的距離は同じでありながら、観客の目がある部分にフォーカスを当てたり、ズームしたりするものと何かで聞いて、なるほどと思ったことがあったけど、こんなふうに自分の目がビデオカメラになって場面を切り取っていく作業は面白い。同じ作品でもその度毎に視点や視界が変わるので感じ方も多少違ったりするけれど、物語バレエのすばらしい作品というのは、大事なシーンでスポットライト(物理的に明るいという意味ではなく視線を集める場所という意味)をどこにあてるかが確実に演出されていると思う。これまでそれを強く感じたのは、マクミランの「マノン」や「ロミ&ジュリ」。主人公の出会いのシーンは、二人の視線が大切。群舞がたくさんいても視線に気がつくと物語が始まっていることがわかる。あー、こんなことを書いていると、また観たくなるなあ。
とりあえず、今夜は第3幕の音楽を聴くこととしましょう。

Martha Argerich - Chopin: Complete Poloaises, etc - Andante spianato et Grande Polonaise brillante in E-Flat, Op. 22: Polonaise. Allegro molto

ショパンAndante spianato and Grande Polonaise Brillante, Op. 22です。舞踏会のシーンは後半部分です。