CASSE NOISETTE

まずはキャストの紹介から。

12/25
CLARA Dorothée Gilbert
DROSSELMEYER Mathieu Ganio
LUISA Muriel Zusperreguy
FRITZ Axel Ibot
LE CASSE NOISETTE Adrien Couvez
LA MERE Béatrice Martel
LE PERE Vincent Cordier
LA GRAND MERE Céline Talon
LE GRAND PERE Fabien Roques
DEUX FLOCONS Myriem Ould-Braham Ludmilla Pagliero

12/26
CLARA Mathilde Froustey
DROSSELMEYER Karl Paquette
LUISA Charline Gizendanner
FRITZ Axel Ibot
LE CASSE NOISETTE Adrien Bodet
LA MERE Amélie Lamoureux
LE PERE Emmanuel Hoff
LA GRAND MERE Céline Talon
LE GRAND PERE Jean-Christophe Guerri
DEUX FLOCONS Charline Gizendanner Ludmilla Pagliero

12/29
CLARA Dorothée Gilbert
DROSSELMEYER Mathieu Ganio
LUISA Muriel Zusperreguy
FRITZ Marc Moreau
LE CASSE NOISETTE Adrien Couvez
LA MERE Béatrice Martel
LE PERE Vincent Cordier(実際はEmmanuel Hoffだったような)
LA GRAND MERE Céline Talon
LE GRAND PERE Fabien Roques
DEUX FLOCONS Ludmilla Pagliero Mathilde Froustey(キャスト表ではMyriemだった)

パリ・オペのくるみをライヴで観るのは初めて。エリザベット・モーラン&ローラン・イレールのビデオを観たことがあるけど、どうもテレビ画面で初見って集中できないし観た気がしないのであまり記憶に残っていないのでした。「パリ・オペラ座のすべて」では2年前の公演のリハシーンで粉雪の場面はかなり印象に残っています。
ヌレエフ版は一言でいうと”変わってる〜っ”。違和感は多少ありましたが、やはりくるみはくるみ。主な話の流れは同じです。
ドロッセルマイヤーが王子も踊るってことは理解してました。でも、このドロッセルマイヤーがあまり格好良くないのでした(ちょっと期待しすぎていたせいもある)。他の人が踊ったら違ったかな〜。ここはマチューよりカールの方が良かった気がしました。妖しい色気が欲しいわ。くるみ割り人形は白くてスリム。白いせいか王子っぽい。クララの妹ルイザなんて他の版ではいるのかな?雪のシーンの後は、お菓子の国のようなファンタジックな世界を見に来たつもりが、クララの悪夢の世界に連れて行かれっちゃったという感じ。大きな頭の湯婆婆みたいなのはコミカルでもあるけどちょっとグロテスク。・・・でもそんな登場人物や演出より、他のヌレエフ版でもよく言われることですけど、音楽のテンポと振付の無駄に難しそうなステップが特徴的と思いました。一緒に観に行ったバレエレッスン歴ありの友人は、「難しいけどきれいに見えない」と言ってました(^^;。ん〜、まー、確かにそうかも。でもですね、あの激しい粉雪の踊りを観てしまうと、他のは物足りなくなるのよん。熊川版も同じように感じるの。特にくるみはヌレエフ版の影響を受けている気がするのです。ヌレエフ版くるみはちょっとコワイけど、子供っぽいくるみより私は好きだな。クララの悪夢って設定は解釈を加えようと思えばいろいろな読み方ができるし、そんな小難しいことを抜きにしても充分楽しめるものだと思いました。
くるみ割り人形のお話はホフマンが原作だってのは知ってましたが、バレエ版の元はアレクサンドル・デュマによる改訂版(ホフマンのものを仏語訳した時改定を加えた)だってことを知りませんでした。オペラ座のプログラムにその事が書いてありました。デュマ版(和訳したものを読んでみたくなって検索しましたが、品切れ状態でなかなか手に入らないみたい。仏語版をパリで買ってくればよかったかな〜。勉強にもなるし。
ドロテはもう言うことない位、素晴らしかったです。クララでエトワールになったんですもんね。クリスマスパーティや夢の場面ではかわいらしくそして勇敢に、金平糖の踊り(この版ではこう呼ばないと思うけど、一般的に言えば)では、美しく高貴に、表情も音楽性も豊かに踊り上げました。ぶらぼー。マチューは少々危なげな所もありましたが、王子役で観る彼はやっぱり素敵。うっとり〜。もう多少の事は許せちゃいます。腕も動きが柔らかくって好きだな〜。彼の動きを見てるとディズニーアニメみたいな残像を感じる。マチュー、見る度に美少年から美青年に変化しております。男っぽくなったよ。25日は私の体調のせい(着いた当日はもう眠くって)で集中力を失うことがあり、29日の方が出来がよく感じました。28日のバレエ・リュスがどうも盛り上がらなかったこともあって、今回のバレエ鑑賞はどこか不満が残りそうだったのですが、29日の公演を観てとても幸せな気持ちになったのでした。ありがとう、ドロテ&マチュー。もちろん、他の皆さまにも感謝です。
新プルミエのリュドミラは連日粉雪で大活躍。粉雪ばかりでなくアラビアの踊りも踊ってました。割と小柄でテクニックもしっかりしていて表現力もあって良いダンサーだと思いました。男子の新プルミエのオファルトは、25、29日は中国の踊りで、26日はアラビアの踊りで登場。中国の踊りはしっかりメイクなので誰だかよくわからない〜。アラビアの踊りでは彼の長所を感じられました。オファルトは空間を大きく感じさせるダイナミックさがある。健全な色気もあって大変素敵でした。先述したバレエ歴ありの友人はオファルトに注目してました。
マチルドの容姿はクララにぴったりでした。アクセントのある踊りも雰囲気出していたと思います。しかし彼女がくるみ割り人形を持っているとモノに見えてしまうのでした。ドロテはもっと愛おしそうに踊ってたよ。マチルドは一人で踊っている時は良いんだけど、パ・ド・ドゥは何となくぎくしゃくしちゃう。元々パートナーはマチアスが予定だったからカールとはお稽古不足だったのでしょうか?マチルド、性格が踊りに出てるような気がする。協調性が問題?(笑)・・私は好きですけど。面白い子だと思う。見ていてあきないもん。
そんなマチルドをしっかりフォローのカール。頼れるアニキ。本当にエトワール昇進おめでとうございます。ドロテとの時はきっと自分の踊りにも集中できたのでしょう。カッコいいカールも観たかった。でも、頑張ってイイヒトしてるカールが私は大好きです。25日はアラビアの踊りも踊ってました。本当にお疲れさまです。
26日のマチルド&カールの日、1幕目で空席だった私の隣の席に2幕目が始まる直前にスタイルが良いダンサーと思われる女性が座りました。「あれ?モーラン?」って思いましたがあまりじろじろ見るのも変なので、なるべく気にしないようにしてました。今、思えば、カールのエトワール昇進の査定?に来てた?。単にくるみの指導をしてたってことかもしれませんね。29日にもいらしてましたし。金平糖のパ・ド・ドゥの時の反応がね、何とも言えない呼吸の間が伝わってきたのです。彼女は舞台上のダンサーと一緒に踊ってるんですね。パ・ド・ドゥの最後、ちょっとバランスが崩れそうになっちゃって会場に「あ〜、惜しい。」みたいな空気が漂ってしまってその後は暖かい拍手が沸き起こったんですけど、モーランと思われる女性はなかなか拍手をしないのです。ん〜、厳しい。でも、拍手をし始めてからは心がこもっているのがわかりました。隣で私も貴重な体験をさせていただきました。なんて、人違いだったりして。
長くなっちゃいました。バレエ・リュスの感想はまた後日。