沖縄、再訪

この8月はとっても忙しかった。ブログにだって書きたいことがいっぱいあるのに時間がなくて。毎週末予定が詰まっていて移動も多く、全部こなせるか少々心配でした。まだ2日残ってるけど、やっと一息、の日曜日です。今週末は那覇に行ってきました。目的はあるお店に食事に行くことでした。
10年くらい毎年のように訪れている那覇にある「琉球料理乃山本彩香」。今月いっぱいで閉店すると聞いて大切な最後の晩餐に行って来ました。お料理のことを何か書かなきゃと思いますが、このお店の素晴らしさを表現するのは私の表現力ではどうも陳腐になってしまいそうで。他にもこのお店のことをブログなどに書いている方は大勢いらっしゃるので他の方におまかせします。
でもこのお店で私がいただいた素晴らしいことを何かしら伝えたいと思い、今日はブログを書いています。山本彩香さんのお料理をいただいたりお話しをしていて、感じたこと、気が付いたこと、教えていただいたことがたくさんあります。心をこめて一つ事をし続けること、基本を大切に自分自身と向かい合うこと、その先にある本物の感覚と、さらに良いものを求め続けて勉強や研究を続けていく姿勢、、。こう書いてしまうと当たり前のことのようにも思いますが、本当にそれをやり続けていくことは大変なことです。そして山本さんのお料理にはその心や生き方がすべて込められています。このことはお料理をいただけばすぐ伝わるのです。
山本さんは琉球舞踊の重鎮でもあるのですが、踊りとお料理についても今回ちょっとだけお話していただきました。雑談の中からお話されたことですけれど、私にはとても大切なお話でした。例えば、10の力を持っていたとしたら、踊りを踊る際には7の力で踊るようにするのだそうです。力を持っていたとしても控えめにすることでやり過ぎたりこれみよがしになることを避けて、内に秘める奥行きを表現することができるのだというのです。でも踊っていて自分が本当に満足して客席からの拍手を心から真実の賞賛と受け止められる事はあまりないそうです。というのも、踊る技術を充分持っていると完璧に踊ったように見せる(ごまかす)ような術も身に付けているので、観客にまではわからないのだそうです。でも、お料理はそうは行かず、お料理を作る過程で何かしらあると必ず味に現れてしまって、それを口に運ぶ人に伝わってしまうというのです。うーん、なるほど〜。料理人というのは常に自分と向き合い、毎日が真剣勝負なのだな、と。
山本さんの料理人としての姿勢に感心するのと同時に、この7の力の表現のことをお聞きして、全ての事に通じることだと思いました。もちろん、バレエだってそうです。日ごろの練習の積み重ねがあって10の力を身に付けて、その10の力を目一杯使わないとできないことを観客の前で踊ったら、見ている方はきっと息苦しくなってしまうと思うのです。7の力でできるように10の力をつけるからこそ、人を感動させるパフォーマンスができるのだと思うのです。これは全力を尽くす、尽くさないというのとは全然別次元のことです。
私は10の力を身に付けるべく日々暮しているだろうか。6か7の力で生きてればイイか、とは思ってましたが、、(^^;。価値ある余力を持って事に臨み、より良い自分になるべく謙虚に貪欲に自分を客観的にプロデュースしているだろうか。あ〜〜っ、焦ってしまいます。自分が無駄に時間を費やしてきてしまったようで。でも、ま、これから少しづつでも、自分が納得できることをしていきたいと、新鮮な気持ちになってます。
山本彩香さんは少しお休みされた後、美味しいお昼ごはんをいただけるお店を開かれるそうです。「チェンジとチャレンジよ」とおっしゃっていました。うれしいです。また”どぅるわかしー”いただきに伺います。

ていーあんだ 山本彩香の琉球料理

ていーあんだ 山本彩香の琉球料理