本日もオネーギン

今日のキャストは、こちら。レイリーがグレーミン公爵よ。毎日大活躍!
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では、本日の感想を。
もう、今日はバランキエヴィッチから目が離せませんでした。一見紳士的でありながら、高慢でナルシシズムの強い難しい男を見事に演じていました。タチアナをふってからも彼女を疎ましく感じているくせに、常に自分が注目を集めることを望んでいるかのようで、タチアナが公爵と踊り出すとそれを意識してわざとオリガにちょっかいを出したように見えました。昨日のレイリーは、タチアナに興味が無いことを示すための行動のように思えたのですが。
どちらも自分の行動が結局制御できなくなってレンスキーと決闘することになるのですが、レンスキーのキャラも昨日と今日では違って見えたので、決闘までの状況も違って見えました。少しいじけた変わり者のレイリー@オネーギンは、真っすぐで曇りのない理想家のレンスキーにどこか憧れめいたものを持っている、その彼を自分の気まぐれから怒らせてしまい、自分も素直になれずその結果殺してしまう。高慢なバランキエヴィッチ@オネーギンは、素朴な青年風ザイツェフ@レンスキーを気の良い田舎者程度に思っていて、自分の勝手な振る舞いからレンスキーが激怒することに対しても罪悪感というよりも悲劇を導いた自分を哀れんでいる。・・そんな感じ。
バランキエヴィッチはとてもきれいなので、3幕の崩れ方もまた良いのです〜。高慢な男がズタズタになり、タチアナに拒絶されることにより、やっとそれまでの自分の驕りに気がつくのです。本当の後悔はこれから・・。いやー、奥が深いです。レイリーのオネーギンの孤独とはまた違う悲しい男の人生です。自分をかわいそがっていたら本当にかわいそうな人になっちゃったんですから。
タチアナは、今日のアイシュヴァルトは少々物足りなかったかな。昨日のスー・ジン・カンはより気高く芯のしっかりした品格を感じさせました。でないと、オネーギンへの拒絶の場面が単なるよろめきドラマになりかねない。
この2日、とても幸せでした。来年、パリ・オペラ座でもこの作品を上演するわけで、いったいどんな舞台になるのかとても気になります。オネーギンももちろんのこと、このバレエはタチアナがとても難しい役だと思います。やっぱりGWもパリに行きたい〜。そして今回の公演を終え、シュツットガルトにも行きたくなっている私です。