シュツットガルトバレエ「オネーギン」

本日観てまいりました。キャストはこちら
とーっても良かったです。ジェイソン・レイリーもスー・ジン・カンも素晴らしかった!レイリーのカラボスを見逃していたので追加したこの日。ホント観に行って良かった。でも昨日も行くべきだったかも。友人によるとフォーゲルにかなり成長の跡が見られるとのこと。アマトリアンの柔軟な身体が作り上げるラインがとても美しかったそうで・・。あー、後悔先に立たず・・。
オネーギンは前回のシュツットガルトバレエの来日時、ルグリがゲストとして踊ったものと、ルグリガラでの同じくルグリとモニクの手紙のパ・ド・ドゥしか観たことがありません。作品の完成度は高く心理描写が素晴らしく、見ごたえのある作品です。今回は本家本元、シュツットガルトバレエ団によるパフォーマンスはよりキャストのバランスも良く、作品の面白さを充分味わうことができたように思います。
レイリーのオネーギンは、斜に構え、世の中をシニカルに見つめているかのようで、実はとても未熟で孤独な変わり者。ルグリのオネーギンの様に人生の全てを知りながらニヒルで、そして少々いけ好かない大人の男性とは違いました。それだけに未熟さから来る過ちが、自ら自分の人生をより孤独なものへと落としめていく様子が哀れでした。
それでなくとも3幕の音楽を聴いただけで胸に熱いものがこみ上げるのですが、哀れな男の生き様と、おそらくその孤独な男の心を理解できたであろうタチアナの心の中にあるオネーギンへの捨てきれない思いと後悔の念(一途で幼い恋が引き起こした悲劇的結末)が全て彼らの動きに凝縮されていて、言いようのない感情を沸き起こすのです。思わず涙があふれてきました。本当に素晴らしかったです。
さて、明日はいかがなものか、期待して劇場に向かうこととします。