K-Ballet第九

本日観て参りました。カンパニーのサイトはこちら
とにかく、熊川さんの復帰がうれしい。相変わらずのオーラと気迫を見せてくれました。出番は少しですがはやり存在感が違います。ジャンプもピルエットもこれまでと見劣りすることなく披露してくれて驚異の回復力です。
赤坂アクトシアターの杮落とし公演として、オケと合唱団もついて、まっさらな所から新しい作品を創るという企画。熊川さんは古典の改訂は素晴らしい手腕を発揮しますが、果たしていかがなものか、と少々心配しながら見に行きました。色々感じるところはありますが、これまでの彼の作品の中では良い出来栄えなのでは?と思います。音符一つ一つにステップのある振付はさぞかしダンサーの方々は体力使うのでしょうねー。こちらも心拍数が上がります。特に2楽章の女性たち。荒井さんも「走りっぱなし」とおっしゃってました。本当にお疲れさまでした。荒井さんも浅川さんも素敵でしたよ〜。そして今回、男性陣も頑張っていたと思います。安定したテクニックの清水さん、飄々とした魅力のある遅沢さん、ノーブルだけど天然系の魅力のある宮尾さん、それぞれの個性がわかり楽しめました。
ここからは辛口になります。舞台が狭いし、オケも2階とはいえ舞台上にいるのでごちゃごちゃしてしまったのは仕方ありません。しかし、オケの音が薄過ぎて・・。音楽とダンスの相乗効果の高揚感をいうのを感じることができませんでした。振付も正直、緩急なく嵐のように流れていってしまうところが多く、熱情は感じても機微や奥行き、深みを与えてくれる場面が少なく、観客に余白を与えないというか、味わうすき間がなかった気がします。これはある意味熊川さんらしいとも言えるのですが・・。私的には、”疾走するダンサー熊川哲也”、ですから(^^;。しいて言えば、理屈でなく体感する心地よさが欲しかったです。
でも、難しい音楽と舞台環境に臆することなく果敢に臨んだ熊川さんには脱帽です。彼のいつでも勝負を賭けている姿勢には尊敬を感じます。熊川さんはいつでも舞台に「今の熊川さん」が現れるのでそれが何より面白い。そして確実にいつも前を向いて成長をしていることがわかるので、人間熊川哲也の人生を伴走している気持ちになるのです。”本気度”が高いものは何かしら人に感動を与えるものです。ブラボー♪