K-Balletトリプル・ビル

昨日のマチネを観てきました。熊川氏不在の公演、チケット購入も少し迷いましたが、こんな時こそ見に行くのがサポーター?の務めかと思い出かけました。
パキータはそれなりに楽しめました。長田さんは安定してますしね。ニコライは主役を張るにはちょっと無理があった印象ですが頑張ってました。
大好きなラプソディの荒井さん&清水さん、正直、期待してなかったんですけど良かったです。清水さんはあの作品の高揚感を出すことにことに成功していたと思います。とても丁寧に踊っていてきっちりリズムを刻んでいました。荒井さんも細かいリズムと柔らかさが要求される踊りで荒井さんらしい雰囲気を出していたと思います。二人のパ・ド・ドゥは陶酔感が感じられました。ただ、私はこの作品がとっても素敵だと思う要因の一つにラストの演出にあるのですが、それが演じられてなかったことが残念でした。超絶技巧の連続の後、最後にふっと息を抜いて「ま、こんなもんだよ」みたいな表情で終わるのがなんとも粋で好きなのです。Kで初演した時は熊川さんもこんな風に演じていたと思うのですが、都さんとのDVDでは特にこんな表情は見られません。ちょっと残念。観客が「すごーい、素晴らしー!」と感激しきりの時に「たいしたことないのさ〜」みたいな感じで終わるなんて何ともユーモラスじゃーありませんか?それに熊川さんのキャラにも合ってると思うのです。もう一度あの演出で踊る熊川さんが見たい〜。

Rhapsody [DVD]

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最後の演目カルメン。中村さんと宮尾さんの長身コンビはどうだったかというと・・。この演目は日本人には難しい〜(^^; 熊川さんのホセも私的には??ですから、ましてや宮尾さんには荷が重過ぎました。緊張が伝わってきてはらはらしちゃいましたよ。姿は格好良いんですけどね、このホセを踊るには自信に裏付けされた男の色気がないと決まらないのです。演技もさりげない方が良いくらいですから。中村さんは健闘していたと思いますが、役を十分に自分のものにしていない印象が残ってしまいました。カルメンにしては健康的すぎるというか、きっぱり踊っていて妖しい魅力がイマイチ足りない感じ。もっと回を重ねると中村さんらしいカルメンになるのかもしれません。それにちょっと気になったのが衣装。中村さんのは新しく作ったものだと思うのですが、何となくトリミングのリボンの質感や色などが安っぽく見えてしまった。同じリボンでも長身の中村さんには合うデザインっていうのがあると思うのにな、なんて思いながら見てました。
会場も結構空席が目立ちました。仕方ありませんね。客席にキャシディさんの姿がありました。きっと白鳥やくるみではロットバルトやドロッセルマイヤーを踊ってくれると期待します。来年春には熊川さんが復帰できるといいですが、都さんはロイヤルで踊る予定が入ってますから、Kでの出演回数がそう増えることもなさそうです。都さん、Kではふさわしいパートナーがいませんからゲストプリンシパルという立場で係わる位で丁度いいのかもしれません。熊川さんが怪我しちゃいましたから予定が狂ったというのもあるんでしょうね。都&キャシディでロミ&ジュリなんてのも良いんじゃないかと思うんですけど、いかがでしょうか? そうなるとマクミラン版の版権は難しいから熊川版つくらないといけないのかしら、・・大変かな?