オージー版眠り

観てきました〜。本日のキャストはこちら
スタントン・ウェルチによる改訂版眠りは、マーフィー版の白鳥ほどではありませんが、かなり変わってました。私的には◎です。ドラマティック・ファンタジーっていう感じでした。美術は、なんと言ったらよいのかしら、どことなくオリエンタルであり、アラビアンでもあり、ロシアンでもあり・・。国籍不明。妖精達は近未来風。何故か、リンゼイ・ケンプを思い出してしまった。好きだったな〜、リンゼイ・ケンプ・カンパニー。今、どうしてるんだろう?←脱線
ストーリーは基本的には古典通りです。普通のプロローグが1幕になり、1幕が2幕になり、2幕と3幕がまとまって3幕という構成になってました。オーロラの誕生お祝いシーンからネコがいたり、妖精達の中にメンズがいたり、王子が二人兄弟だったり、少しづつ違っていてこれもまた新鮮でした。普通、黒などの濃い色の衣装になるカラボスは白い衣装です。冬の象徴ってことらしいです。白いバラを魔法で黒に変えて、オーロラに指し出すなど黒を巧みに使っていました。最後に長ーいマントの裾を引いて舞台を斜めに横切るシーンは印象的です。カラボスの孤独や苦悩は癒えず、物語はまだまだ続きます・・という余韻を残しますよね。群舞は白鳥の時はもっと踊って〜という気分になりましたが、今日は満足。バレエ作品としての完成度は眠りが上かな?話題性、新鮮さでは白鳥に軍配が上がります。
オーロラのルシンダ・ダンは、このバレエ団のスターというオーラを持っていますね。確かなテクニックと存在感があります。正直、貫録がありすぎてオーロラの初々しさはないんだけど、私のオーロラはこうなのよ!的な芯の強さに脱帽です。だって、このオーロラ、カラボスに差し出された黒バラに指を刺された瞬間、カラボスを平手打ちですもん。オージーオーロラは強かった(^^;
このバレエ団で他の演目も見たいという気持ちになりました。21世紀のバレエシーンにおいて、古典バレエを新しく演出し直すという仕事の成功した形を見せてくれたバレエ団だと思います。歴史は浅いけど、だからこそフレッシュな発想と高いモチベーションの上に質の良い作品ができるのだと思います。また、来日をしてくれることを希望します。