都さんに感動
今日の写真は、ローバート・ハインデルの版画と昨日紹介した宮沢優子さんの写真です。
私は白鳥の第二幕で涙が出たのは初めてのことかもしれません。私がバレエで涙が出るのは、物語に入り込んでしまうからではなく、人間の身体が美しいフォルムを作り出し、音楽とともに雄弁に語り出す時です。背筋がゾクゾクして自分が特別な空間にいるような錯覚がおきます。
吉田都は、彼女が持っている身体的条件からすると、バレエダンサーとしては欠点もたくさんあります。しかし、彼女は一度踊り出すとそんなことを忘れさせてしまうのです。動きの一つ一つに、視線の先にすら彼女の心が見えるのです。静かだけれど、確かな思いが伝わります。第二幕のオデットとジークフリードの出会いの場面のマイムがとても好きです。マイムに合わせてセリフをつける作業が楽しい。アダージョは美しいと思ってもオデットの心というか、踊り手の思いを十分感じた事は無かったように思います。でも、昨夜は違いました。オデットの戸惑い、迷い、願い、切望、恐れ、、。「ああ、ここはこんな意味があったんだ」という発見の喜びが視覚と聴覚の刺激と一緒になって押し寄せてきました。都さんは、本当に素晴らしいダンサーです。感動をいただいたことに感謝します。
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