オーストラリア・バレエ「くるみ割り人形」

本日のキャストです。→こちら
昨日の公演の評判もすごく良いので、楽しみです。ささっ、準備しなくちゃ〜っ
感想をちょっと。
くるみを物語バレエに仕立てるなんてグレアム・マーフィはすごいです。事前にあらすじを読んでなかったら何が何だかわからなくて驚くだろうなぁ。オーストラリアという地だから生まれた作品だと思います。ロシア革命、戦争を経て、祖国を遠く離れた地で生きてきたプリマの物語です。
引退したダンサーたちのクリスマスパーティから物語は始まります。年老いたクララ役のマリリン・ジョーンスは本当に優雅で、存在感が光っていました。マリリン・ジョーンズは、スタントン・ウェルチのお母様でもあるのですね。オーストラリア・バレエ団の歴史を語る中でも重要なバレリーナの一人なのでしょう。移民の国であるオーストラリアの人々はそれぞれがきっとこのクララの物語のような一族の物語があるんだろうと思います。バレエ・リュスを通してこの地にバレエ芸術が伝わって根付き、オーストラリアらしい作品が生まれたという事が何より素晴らしいと感じました。
演出が斬新で、これはいったいどんなシーンでこれからどうなるのかとストーリーを追うのに一生懸命になってしまって、正直、今一つ作品の良さを充分に理解できなかったように思います。一幕の引退後のダンサー達のパフォーマンスがノスタルジックで楽しげで、でもどこか物悲しく胸を打たれました。二幕は場面展開が何回もあって、変化はあるんだけどダンスそのものの魅力がちょっと足りなかったかな。これは私の固定観念なんでしょうけど、パ・ド・ドゥはあってもソロがないので、ダンサー個人の個性が前面に出るシーンがないのが残念でした。あくまでもストーリーを語る踊りというのはわかるのですが、白鳥の湖で男爵夫人がルースカヤの音楽で踊ったような見せ場がないように感じてしまいました。メインキャストの一人医師/恋人の将校のダンスシーンが少なかったんで「いつちゃんと踊るの?」と思ってたら終わっちゃったってこともありました。んー、自分の頭が固いなぁと認識させられました。
後になって、あー、こういうことだったのか、とじわじわと湧いてくるものがあります。もう一回観たいです。今回6列目の観たのですが、もうちょっと後ろの席の方が良いかな。映像も使われていますし、舞台全体が視界に入る方がきっと良いと思います。DVDを買っちゃおうかと思いましたが、会場では売られていませんでした。輸入盤があるそうですが、もう本国でも廃盤になっているそうで新しく入る予定はないそうです。現在売られているものが店舗にあったとしたらそれが最後なんだとか。今、HMVのサイトでは受け付けてますね。→こちら。はい、またまたポチッとしちゃいました。