Mao's Last Dancer

観てきました。公式サイトはこちら
何年も映画館に行かない日々が続いていたのですが、今年は、観たいと思った作品はなるべく映画館に足を運ぶようにしています。元々映画を見るとしてもだいたいDVDを借りてきて自宅で見るというパターンだったのですが、夫が映画やドラマを見ないので、家でDVDを見たりするのも遠慮するようになってから10数年。バレエほど映画を愛していたわけではないのでそれでもまあ問題は特になかったのですが、遠慮とかの問題ではなく、観たい物を観よう、出かけて行けばいいじゃん、と今さらながら思ったのでした。
そんなわけで、今年観た映画、と言っても10作品にも満たないですけど、その中では、このMao's Last Dancer、邦題「小さな村の小さなダンサー」は、かなり気に入りました。もちろん、私がバレエ好きってこともありますが、ドラマとしても見ごたえありますし、泣けちゃうところもカタルシス効果ありで観賞後の気分が良かったです。思わず原作本も買っちゃいました。

小さな村の小さなダンサー (徳間文庫)

小さな村の小さなダンサー (徳間文庫)

主演のツァオ・チーは、バーミンガム・ロイヤル・バレエの来日公演の美女と野獣で観ていますが、かぶりものだったせいもあってあまり印象に残っていません。この映画で見るとなかなか魅力的なダンサーです。来年の来日公演が楽しみです。エリザベス役の子、どこかで見た?と思っていたら、センターステージのあの子でした。かわいいのかもしれないけど、何か深みやニュアンスを感じさせない。
北京時代のリーを演じたグオ・チャンウ君はオーストラリア・バレエの団員だそうです。来月日本に来るのかな。リー・ツンシンがいたヒューストン・バレエの作品として、オーストラリア・バレエのグレアム・マーフィ版の白鳥の湖が使われているんですけれど、来月の公演の良いプロモートになってます。あー、でもこの映画見てどれ位の人がバレエを観に行ってみようって思うのかしら、、。この映画は1980年代のアメリカだから、マーフィ版の白鳥がどんな作品かは触れられてない(ダイアナ妃は結婚したばっかりですもん)けど、パンフレットには桜井多佳子さんの解説がありました。ラストの「春の祭典」は誰の作品なんだろう?と思いましたが、この映画のためのオリジナルだそうです。舞台上で炎がメラメラ〜。迫力ありました。
そういえば、映画で春祭のシーン見たな、と思ったら、シャネル&ストラヴィンスキーニジンスキー版でした。ニジンスキー版って見た事ないけど、今上演してもかなり衝撃だと思いますから、当時は大変だったでしょうね〜。作品としての質というよりその時代の芸術としての価値、ストラヴィンスキーの音楽の素晴らしさは残るものだと思います。
できるものなら、19世紀後半から20世紀初めにタイムトラベルしてみたいです。心惹かれる芸術をライヴで観られたら!と思うのです。20世紀後半から現代までの芸術はいったいどんな物が後世に残るのかしら?バレエ作品も何が時代を経ても上演され続けるのでしょう。マクミランやノイマイヤーはもはや古典と言っていい位だと思う。20世紀らしいとなると、プティ、ベジャール、バランシンかな。100年先にタイムトラベルして観てみたいものです。