ボリショイ「白鳥の湖」

昨日のマチネに行ってまいりました。キャスト表はこちら
もともとルンキナが観たくてこの日を選んだ私。アントニーチェワとグダーノフについては知識無し。ロシアのバレエに詳しい友人によるとアントニーチェワはラインがきれいなダンサーとのこと。ふむふむ、なるほど〜。足が綺麗だわ〜。
王子のグダーノフはとてもやわらかい踊りをする方でおまけに着地でほとんど音がしません。こういうダンサーってロシアのダンサー以外ではあまり出会えない気がします。個性は弱い印象がありますが、着実なテクニックと雰囲気の良さでジークフリードを好演していました。
道化のロパーティンにも注目です。ジャンプが高くしなやか〜。どこそこおかまチックでペーソスを感じさせるキャラでした。岩田さんの道化も観たかったな・・。そういえば今度のプロフェッショナル仕事の流儀に出演されるんですよねー。録画予約しよっと。
1幕の王子の誕生祝いのシーンでは群舞が素晴らしくってひたすら感心してました。音楽性も豊かでみなさん本当にお上手。ダンサーの層が厚いんですねー。ここで王子は友人二人とパ・ド・トロワも踊っちゃうんです。王子大活躍。その後の湖のシーンになってからしばらくして私は強い睡魔に襲われ、ところどころ記憶喪失になっています。王子とオデットとの出会いも場面がどんなだったか憶えてない〜(;_;)。不覚・・・。その後も、なんだか疲れ気味だったせいのか、ボリショイバレエそのものに愛を感じられないせいなのか、集中力を欠いてしまってぼーっとしたまま観てしまった・・。ボリショイの白鳥の湖は初めて。昨今の白鳥はどのヴァージョンもそれぞれ個性的なものが多い中で、それほど目新しいものには感じられませんでした。ロットバルトがもっとぐいぐい物語を引っ張るくらいの強さがあったらもう少し違ったのかもしれませんが、なんかひたすら王子が情けないだけで、ロットバルトに操られているっていうより自爆してるみたいに見えてしまった。
ボリショイのダンサーたちはすごいし、きっと古典作品を見るというテーマであれば、一級品の芸術なんだろうと思うのですが・・・。そうなんです、”すごい”んですけど、感動しないのです。そう思いながら、ボリショイバレエが来日すれば毎回劇場に足を運んでいるのですけど。いったい何故か?・・ボリショイバレエにはバレエ芸術の原点みたいなものを感じるからです。バレエっていうより”踊ること”が人間のどんな感情を動かすのか、とってもプリミティヴな部分で何か刺激される気がするんです。そういうのって私はあまり得意じゃなくて心地よいわけでもないのですが、たまには良いかなーと思うのでした。