ABT白鳥の湖7/23

昨日観てきました。キャストはこちら
マッケンジー日本初演です。何より特徴はロットバルトを二人のダンサーが踊るというものでしょう。プロローグで怪物みたいな魔物ロットバルトが一瞬のうちに美しい男性に変身してオデットを誘惑するのです。オデットはロットバルトの妖しい魅力に引きつけられ白鳥に変えられてしまいます。いやー、変身後のロットバルト役のホールバーグは初見ですが、目力のあるお顔立ちで美しくも危険な香り〜。気高く冷血な独裁者のようなたたずまいでした。かなり素敵で、ハートを持っていかれました〜。
3幕の舞踏会のシーンでも王妃を虜にし、花嫁候補まで意のままに操り、場の空気を一気に持って行ってしまいました。なかなか見ごたえありました。あのロットバルトはもう一度観たい。DVD買っちゃおうかな。主役はコレーラとマーフィーなんだよね。ちょっとイマイチ。で、ロットバルトはゴメス!どんなロットバルトなんでしょ。ホールバーグよりワイルドで男性的な魅力があるフェロモン系かな?
ゴメスは、ジークフリードの必須条件と思っていた”憂い”というものは別次元なんですけど、とても現代的で等身大の王子を作り出していたと思います。孤独ではあるのかもしれないけど、何とか”前向き”にこの状況を打破したいと模索しつつも、何とかなるさと楽観しているかのような・・。自分の気持ちにも正直なもんで、猪突猛進系。3幕のパ・ド・ドゥの最後にひざまづいてオディールの手にキスする時なんて、それはそれはもう嬉しそうなお顔でした。はじけてましたから。なんか妙に和んだ〜。自分がとんでもない過ちを犯した後でもひたすらまっすぐにオデットに許しを請い、オデットの後を追い湖に身を投げた時の威勢の良い飛び込みっぷりにも感動〜。背中をそらして美しい形を作っていました。今も目に焼き付いています。
ケントは必ずしもスタイルが十分良いわけではないのですが、お顔が大変美しい。なかなかクレバーなダンサーだと思いました。経験も十分あり魅せ方を良くご存知でらっしゃる。オデットは繊細でありながらも弱々しいわけではなく、やはり何かしら明確な意思を感じさせるオデットでした。そして特筆すべきはオディールです。オデットと衣装は違ってもメイクはそう変わりないと思うのですが、表情が全然違うのです。アンドロイドのように無表情だったかと思うと、ジークフリードに視線を送る時には魅惑的は笑顔を瞬時に振り撒き、また一瞬の間にアンドロイドに戻るのです。血の通った人間ではなくロットバルトに操られている人形みたい。オディールはロットバルトの娘とか言われてるけど、ケントのオディールはロットバルトが作り上げた魔物の化身かなぁなんて思いました。
美術もきれいで凝っていたし、衣装も素晴らしかった(半ずぼんには目が点になりましたが)と思います。ロットバルトの肉じゅばん衣装もね。いやはやディズニーのお国だなーと感心したのでした。面白かった〜っ。

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